今日members社主催のソーシャルメディア セミナーに行ってきました。

メインはループス斉藤社長の「ソーシャルコマース」についての講演で、
非常に興味深いものでした。

ソーシャルコマースの定義は、
「ソーシャルメディア×Eコマース」と言う事なので、
結構幅広い概念なのですが、要するにソーシャルメディアの台頭により、
マーケティング手法がどの様に変わるかと言う予測と、米国事例の紹介でした。

主に、ネタ元になっていたのはコトラーの「marketing3.0」で、
その要点は
「一人一人異なる心をもった生活者を意識したマーケティングが必要になる」と言う事、
つまり、マーケティングは対話しながら売買する「商いの原点へ回帰する」と言う事でした。

また、ソーシャルコマースの機能としては、以下の様に整理しています。
<製品開発フェーズ>
 1.顧客の生の声を分析し、新しいニーズを発掘
 2.プロセスを公開し、商品開発で顧客とコラボレートする
 3.試食等の共同体験を通し、ファン心理を醸成
 4.売り場では、生活者が交流できる場を提供
 5.販売後も、生活者同士が支援し合う場を提供
<販売フェーズ>
 1.信頼と動向にもとづく「ともだち」による、ソーシャルレコメンド
 2.利用者が仲間を自ら集める共同購入
 3.非匿名で信頼性の高い商品レビュー

若干、整理しきれていない様な印象も受けますが、
要するにポイントは、
 ・顧客を商品・サービス開発・改善に巻き込む事が出来る
 ・顧客による自発的な販促代理活動が期待できる
と言ったところでしょう。

事例についても類型化して説明して頂いたのですが、ちょっと量があるので割愛します。
(興味があれば斉藤社長のブログをご参照あれ)

今後のソーシャルコマース活用のポイントとして、
以下4つの視点を提起されました。

1.対話の場を提供し、ソーシャル性を深める。
  一方的な売り込みは通用しなくなり、友人からのレコメンドが購入意思決定のキーとなる。
   →積極的に口コミをアピールしたり、同好者の意見が目に留まる様なサイト設計を心掛けるべき。
     ※TwitterやFacebookの既存ソーシャルグラフを活用しよう。

2.生活者とともに付加価値を創造する。
  商品開発等のプロセスに積極的に顧客を巻き込み、付加価値をともに生み出すべし。
  開発プロセスの合理化にもつながるし、その姿勢が顧客の支持を生む。

3.生活者を支援し、生活者に信頼される。
  生活者との誠実なコミュニケーションが、派手な広告よりコストパフォーマンスが良い事は、
  zapposやGrouponが実証している。
   →企業の徹底した顧客志向は顧客に感動を呼び、ソーシャルメディア上での口コミ伝搬効率を飛躍的に高める。
    (アドボカシー(顧客支援)マーケティング)
    ⇒顧客に愛される事がソーシャルコマースで成功するカギ

4.最新のソーシャルトレンドを取り入れる
  フラッシュマーケティング(グルポン等)やソーシャルゲーム、チェックインサービス(位置情報)等の最新ソーシャルトレンドを
  上手く取り入れて行く。

それから、
現時点では国内でマーケティング利用に適したソーシャルメディアはTwitterのみだが、
この所のFacebookの伸びが著しく、Facebook Japanの話では、彼らが考える一気に普及し出すポイントを既に超えているとの事。
よって、これからはFacebookの企業活用も真剣に検討し始める必要がある。

Twitterはシンプルさがウリであるが、Facebookは逆に非常に奥深いプラットフォームだと言う理解。

9月16日に、members社主催でFacebookのセミナーがあるそうなので、
クリフもこれは参加しとこうかと思います。

で、講演全体を通しての感想ですが、
ソーシャルメディア、ソーシャルコマースの考え方、事例を勉強すればするほど、
これがとんでもなく重要な事であり、同時に物凄く社内的なハードルの高いものである事をジワジワと実感してきました。

今回のセミナーのポイントは、

ずばり、
「顧客に愛される事がソーシャルコマース成功の秘訣である」

と言う事でしょう。

これは生半可な事では無いですよね。

個人や、小規模なベンチャーならいざ知らず、
大企業が多くの顧客に心から愛されるってのは本当に難しいと思います。

また、その重要性を社内で理解させる事もそれ以上に大変です。
何故なら、今まで上手くやってきたノウハウがあるから。

今の体制が充実している、上手くやっている組織なら猶更でしょう。

クリフの会社も、
結構規模が大きいし、顧客対応部門もかなり充実していて、相当なノウハウ蓄積があります。

逆に言えば、
既に顧客との対話が出来る環境はあるはずなんです。
にもかかわらず、それを商品開発、サービス改善にフィードバック出来ているかと言うと、
正直疑問です。

それは、商品の主管部門が直接顧客と接していないからかもしれませんし、
ネガティブな話だけ入ってくるからかもしれません。

何れにしても、
既存の組織が、積み上げて来たやり方を見直し、
顧客中心の体制に再構築する作業と言うのは気が遠くなる様な大手術と言っても言いすぎじゃないでしょう。

到底、一担当がちょこちょこ動いて出来る話ではなく、
経営層号令によるプロジェクトなりで全社的に進めなければ何ともならないレベルのものだと思います。

やれやれ、
書いててなんか胃が痛くなってきたです。。。

果たして、この仕事やり遂げられるだろうか?^^;

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